午後一時を少し過ぎた頃、バルセロナ市内の目抜き通りを歩いているとき目にとまった、小奇麗な海の幸専門のレストランに入った。
日本の寿司屋のそれよりひと回り大きいガラスケースの中に、地中海産と思しき魚介類が行儀よく並んでいる。
三千夫は大振りのエビと、日本では見かけたことのない魚を指で示し、それから白ワイン
値段は分からなかったが、一万円をでることはよもやあるまい、という心づもりだった。
国の内外を問わず、旅先での食生活に関して、三千夫には一つの流儀がある。
訪れた土地で、3日に1度は、少し値が張りそうでも一流のホテルかレストランで、食事をとることだ。
そして、海の幸や山の幸にその地方の特産品があれば、まずそれを注文する。
他の8食は、腹さえ満たせれば結構。
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