2009年08月09日

セキセイインコ B

ekod_maimai_07.jpg

またしても、礼儀をわきまえぬ人間どもの笑い声がする。

飛んでは落ち、落ちては飛んでいるうちに、さすがのピーも疲れてくるのか、不時着から離陸までの間隔が次第に長くなる。

長くなるとにわかに人間の子供の関心を呼ぶ。

空を飛べない哀れな人の子は、飛び立つ気配のなくなったピーを捕まえようと、2本の足で歩き出す。

そろりそろりと足音を消して近づいていく。

「ビビッ!」。

ピーはけたたましい叫びを上げて怒る。

ピーを包もうとした小さな、柔らかい手を尖った爪でひっかく。

ローマ人の鼻のような鋭いくちばしで噛む。

仰天した人の子は、ピーを振り払おうとする。

「ワーン、痛いよぉ〜。」

今度は、人の子が泣き出す番だ。

人間だって万物の霊長、空こそ飛べないが泣くことぐらいはできる。


わが家にこれまでなかった種類の笑いをもたらし、ひととき楽しませてくれたピーは、ある日、人間どものわずかなスキをついて大空へと旅立っていった。
posted by asaborake at 16:25| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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