2009年12月21日

いにしえに迷う@奈良 ローマ

 いにしえに迷う

いつのころからか私は、奈良の地をそぞろ歩くことを無上の楽しみにしている。

何がそうさせるのか、私自身よく分からない。
 
けだし秋篠寺の、匂うがごとき
伎芸天への遥かな憧れか。

香り高い天平の清浄を今に伝える、唐招提寺への果てしない夢か。

法隆寺夢殿に佇立する、いくたの謎に包まれた、救世観音の神秘へのロマンティシズムか。

はたまた、大和路にひょっこり出くわす野仏の無心な表情の懐かしさか。

とにもかくにも、いにしえの都への憧憬の去らぬ日は、一日たりとてないのである。

万葉集にみるごとく、伸びやかにして素朴、自由にして大どかな奈良の、屈託のない光と空気は、王朝風のきらびやかさ、しかつめらしい格調と規範、禅宗的な、ある種の心構えを要する森厳さを漂わす京都のたたずまいとは違う。

いわんや、ヨーロッパ文明の源流ギリシャ
ローマの、人を寄せ付けぬほどに偉大で、冷徹なまでに理知的な古跡とは、まったく趣を異にするといってよい。

だいぶ以前のことになるが、ほぼ時期を同じくして、奈良と
ローマで、真冬の夜道に方向を失い、途方に暮れたことがある。

ともに東京大阪とはちがい、夜は暗いのである。


        


     

 唐招提寺金堂、創建以来初の一般公開 国宝



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posted by asaborake at 20:20| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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