2010年01月15日

いにしえに迷うF厳寒の奈良盆地

興福寺五重塔  興福寺五重塔

奈良盆地の冬は厳しい。

荒涼とした境内には、木枯らしが音を立てて吹き荒れている。

ひどく疲れているが、奈良盆地のはずれ、新薬師寺まで、約5`の道のりを、真冬のかそけき月明かりを頼りに帰らねばならない。

尼ヶ辻まで一本道だ。

そこを右に折れたらJR奈良駅を右に見て、三条通りから猿沢の池、奈良公園と道筋はわりと単調である。

意を決して、寒風の中に一歩を踏み出した。

農家と田畑、古びた土塀を左右の闇に感じながら、ひたすら宿坊を目指して歩を進めた。

寒さと睡魔と必死に戦いながら、黙々と歩き続けた。

そして、厳寒の中で身体の内部にぬくもりを感じてきたころ、興福寺五重塔の黒い輪郭を左に見るや間もなく、春日大社の一の鳥居にたどり着いた。

時計の針は午前2時を少し回っている。


posted by asaborake at 13:03| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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